【特別区経験者採用】オススメ予備校3選!ランキングを発表!

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特別区への転職を視野に入れ始めたものの、予備校の選択で悩む人は少なくありません。
近年では、たくさんの予備校情報がインターネット上に溢れかえっているので、一昔前に比べると選びにくくなっていると言って良いでしょう。

そうなると「きっとどこでも同じだから……」と投げやりになってしまうかもしれませんが、実際には予備校選びは非常に重要です。

なぜなら、予備校の選択を間違えると、勉強の効率が極端に落ちるからです。
「予備校選びを誤っても、一応勉強はできる」というレベルでさえなく、「大金を払って、かつほとんど意味のない勉強をする」ということになる可能性すらあります。

また、「予備校を利用しない」という選択肢もありますが、「経験者採用枠」は「大卒程度枠」よりも倍率がかなり高いですから、独学のみで合格するのはとても難しいと言わざるを得ません。

「予備校の料金=自分のための先行投資」と考えて、適切な予備校を利用するようにしましょう。

予備校紹介記事の注意点

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まず、予備校紹介のランキング記事などをチェックするときに気を付けなくてはならないことがあります。
それは、そういった記事の大半は「広告収入」のために作成されているという点です。

例えば、

「おすすめの予備校をランキング形式で紹介します!大手予備校を徹底的に調べました!」

というスタンスの記事がありますよね。

しかし、そういった記事には「予備校の申込ページ」や「講座説明会へのリンク」が妙に多く設置されているものです。

その理由は、予備校がお金をかけて記事を書いてもらっているからです。
仕組みとしては、記事内のリンクがクリックされたり、実際に申込があったりすると、記事を書いた人に収入が入ります。

登録1件につき数万円の収入になることもありますから、かなり必死になる執筆者も珍しくありません(実際に記事を読んでみると執念が伝わってきます(笑))。

そのため、予備校の実力や評判が記事にきちんと反映されていないケースが少なくないのです。
もちろん、このような方法で、予備校が記事を書かせることも、ブロガーなどが広告収入のために記事を書くことも悪いことではありません(当然ウソの情報を発信するのはNGですが)。

しかし、記事を読む側としては、「広告収入のために執筆したのかもしれない(情報が偏っているかもしれない、デメリットが伏せられているかもしれない)」ということを常に意識しておくべきです。

ただ、オフィシャルサイトや講座説明会の予約ページなどのリンクが設置されていない記事であれば、広告収入のために書いているのではない(単に情報発信のために書いている)と言えます。
※そういった記事でも100%情報が合っているとは言い切れないため気を付けてください。

ちなみに、本記事はそういったリンクは一切設けていないのでご安心ください。
つまり「あらゆる予備校に対してフェアな記事」ということです。

予備校選択で見るべき4つのポイント

check-point

さて、予備校を選ぶ際にはどのような部分を見ればいいのでしょうか。

①経験者採用に強いか

公務員試験の試験枠は大きく2つあります。

大卒程度枠 :主に大学生が受ける
経験者採用枠:社会人が受ける

どちらで合格しても公務員になることができるのは確かです。

ただ、試験で重んじるポイントにはかなりの差があります。

【大卒程度枠】
専門試験(法学、経済学、政治学)や教養試験(文章理解、数的処理)などの択一試験にウエイトが置かれている【経験者採用枠】
面接試験や論文試験にウエイトが置かれている

そのため、「経験者採用枠で受ける人」が「大卒程度枠の特化した予備校」に通うと非常に効率が悪くなってしまいます。
端的に言ってお金を無駄にするだけです。

ですから、経験者採用枠を受験する場合には、経験者採用枠に強いかどうかをきちんとチェックしましょう。
予備校の中には「経験者採用にも強い!」「経験者対応!」などとアピールしているところも少なくありませんが、実際には「大卒程度枠向けのカリキュラムを、そのまま経験者採用枠の講義に使っている」というところが多いです。

また、経験者採用枠では面接試験や論文試験がとても重要であるにもかかわらず、講義の大半が「教養試験向け」になっている予備校もたくさんあります。

よって「経験者採用枠に強いです」などの宣伝を真に受けず、自分で慎重に調べる必要があるでしょう。

②特別区に力を入れているか

「経験者採用枠に強い」というだけでは不十分です。
「特別区に力を入れている」というポイントも満たしていなければなりません。

繰り返しになりますが、経験者採用枠では面接試験と論文試験にウエイトが置かれています。
そして、特別区経験者採用の場合、もっと極端に論文と面接が重視されているのです。

一例として、大半の市役所・県庁は、一次試験の合否を「教養試験の点数」もしくは「教養試験の点数+論文試験の評価」で判断しています。
ですが、特別区経験者採用に関しては、一次試験の合否を「論文試験の評価だけ」で決めているのです。

また、多くの組織において、試験で作成する論文は1つだけですが、特別区経験者採用については、2つ求められます(職務経験論文+課題式論文)

加えて、一次試験をクリアしてから行われる「面接試験」にも特徴があります。
一般的な市役所・県庁の場合、面接試験の時間は15~20分ほどです。
しかし、特別区経験者採用については、実に40分程度もあります。
この40分を使って濃厚な面接試験を行うのです。

様々なことを深く追求されますし、プレッシャーも並大抵のものではありません。
ですから、通常の市役所・県庁対策とは比べ物にならないレベルの、緻密な用意が欠かせないのです。

ここまでの内容をまとめると、「通常の経験者採用枠ではなく、特別区経験者採用に特化した対策を行える予備校」を選ぶことが重要と言えます。

「経験者採用のコースがありさえすればどこでも大丈夫!」などと考えてしまうと、大金を無駄にすることになるので気を付けてくださいね。

③複数の講師が在籍しているか

試験対策を本格的に行う上で「複数の講師が在籍している」というのは、実はとても重要です。
なぜなら、より幅広い視点から指導を受けることができるからです。

例えば、特別区経験者採用の対策で特に重要な論文と面接について考えてみましょう。

特別区も含めて多くの自治体では、受験生の論文を職員(多くは管理職)が採点するのが一般的です。
そして、ここが重要なのですが、評価に偏りが出ないように、受験生の論文は「複数人の職員によって評価される」ことが多いのです。

つまり、ある職員から高い評価を受けても、他の職員から低い評価を受けたとすると、評価は高まらないということですね。
だとすると、普段からより幅広い視点で論文の評価を受けておくのは重要だと言えるでしょう。

また、面接においては複数の講師から指導を受けることがなおさら重要となります。
特別区経験者採用の面接には3人の面接官がいますが、それぞれに異なった視野を持っています。
そのため、ある1人の面接官からのウケが良くても、他の2人の面接官から低評価を下されれば不合格となる可能性が一気に高まります。

例えば、講師が1人しか在籍していないような個人塾の場合、指導の方向性が一面的になりがちです。
その講師の方向性が誤っていた際には、不合格まっしぐらということにもなりかねません。
「頑張っているのに何年も連続で不合格になっています…」という受験生に話を聞くと、個人塾を利用しているケースが多いのですが、それは以上の理由によるものだと考えられます。

そういったことのないように、複数の講師が在籍している予備校を選び、多角的な指導を受けるようにしましょう。

④合格実績を公表しているか

当然といえば当然ですが、合格実績を公表しているかどうかも重要です。

基本的には「〇〇名合格!」などの実績を出していない予備校は避けた方がよいでしょう。
なぜなら、実績を出していないということは「実績がない」か「実績はあるけど少なすぎる」のどちらかだと考えられるからです。

逆に言えば、しっかりと実績を公表している予備校は信頼できるということでもあります。

そして、最も注意をしなければならないのが合格実績のごまかしです。

典型的には「〇〇〇名以上の受験生を指導し、多くの合格者を輩出」というパターンが挙げられるでしょう。

一見すると「特別区経験者採用に〇〇〇名以上も合格者を出しているのかぁ」と思うかもしれません。
しかし、上記の文には「〇〇〇名以上の受験生を指導し」と書いてありますが、注意深く読んでみると「特別区経験者採用受験生を指導した」とは書いていないのです。

また、「多くの合格者を輩出」という部分も「特別区経験者採用の合格者」とは書いておらず、さらに合格者が何名だったのかも明示されていません(合格者が〇〇〇名とは書いていない)。

法的には問題ないかもしれませんが、「受験生を勘違いさせよう」という意図が透けて見えます。

実際、とある塾を検討していた受験生から特ゼミに相談があり、実績について問い合わせた際に下記のような返信があったそうです(特定を避けるために一部表現を変えています)。

合格した人数が〇〇〇名とは言っていない。指導経験にはⅠ類など(大学生が受ける区分)も含めている。少人数指導のため受講人数・合格者数ともに非公表としている。

これでは、顧客である受験生に対して、誠実な姿勢とはとても言えないのではないでしょうか。

しかし、これは氷山の一角にすぎず、実際に合格実績をごまかしている個人塾は数多く存在していると考えられます。

そういったごまかしに騙されないように、昨年の特別区経験者採用の合格者数や、1級職・2級職の合格者数など、予備校に入る前にきちんと実績を確認するようにしましょう。

おすすめ予備校トップ3

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それではオススメの予備校3つを紹介します。

「3つだけ……?」と感じたかもしれませんが、ここまで解説してきた条件をクリアしている予備校自体がほとんどないのです。

今後新たな予備校が登場しないとは言い切れませんが、今のところこの3つから選ぶのが無難だと思います。

第1位:社会人採用専門予備校Gravity

【コース名】
「特別区経験者採用試験」合格講座

【受講形式】
通信講座
※一部対面あり

【料金】
税込29万400円

【メリット】
社会人採用の専門予備校のため、効率的に学ぶことができる
全ての講師が元公務員のため、公務員試験のノウハウが豊富である
・メインの講師2名がTAC(最大手予備校)での指導経験歴アリ&特別区経験者採用に合格しているため、指導実績と合格実績の面で信頼がもてる

【デメリット・注意点】
料金設定がやや高めのため、自分のお財布と相談する必要がある
設立からの年数が短いため、長年の伝統を重視する人には向かない

以上の内容から、第1位としました。

一番大きく評価したポイントは、実際に特別区経験者採用に合格した講師から直接指導してもらえる点です。
一般的に、公務員予備校の講師は、公務員試験の受験経験がないことがほとんどです(あくまで”講師”なので当たり前ですが)。
その中で、倍率が決して低くはない特別区経験者採用に実際に合格しているというのは、かなり珍しいかと思います。
元TAC講師でもあるそうなので、指導方法は申し分ないでしょう。

一方で、まだ設立から数年しか経っていないようなので、伝統を重視したい人には向かないと思います。
HPなどを見たり、セミナーに参加するなどして自分で判断するしかありません。

第2位:公務員試験専門喜治塾

【コース名】
特別区経験者採用試験対策講座 フルコース

【受講形式】
通信講座か教室講座の選択制

【料金】
税込29万7000円

【メリット】
・教養対策が心配な場合は「フルコース」で教養の指導も受けられる
通信講座か教室講座から選べる(教室は高田馬場にある)ため、教室に通いたい人にはオススメ
歴史の長い予備校のため、試験のノウハウや過去の情報を多く持っている

【デメリット・注意点】
料金設定がやや高めのため、自分のお財布と相談する必要がある
コース以外のオプションが多いため、追加料金が発生しやすい

以上の内容から、第2位としました。

一番大きく評価したポイントは、教室講座がある点と長年の実績がある点です。
「家だと集中できる環境ではない」「だらけてしまう」という人は毎年一定数いるので、教室に通いたい人にはオススメです。
また、受験をするにあたり、過去の傾向等に関する情報を知ることは非常に重要です。
特別区経験者採用について、長年講座を提供している点は大きなメリットと言えるでしょう。

一方で、コース以外のオプションが多いのはデメリットです。
オプションを追加していったら、トータルでみると他の予備校より高くついた…というのはよくある話です。
申込む前に、どのようなオプションがあるのかを確認し、トータルでみた料金とサービス内容をしっかりチェックしておくことが大切です。

ちなみに、これは大手予備校などでもよくある手法です。
例えば、申込み時には案内がなかったのに、入会してから様々なオプション講座が開かれるといったことはよくあります。
もちろん、オプションを利用しなければ良いだけの話ではありますが、ほとんどの受講生が「少しでも合格可能性を高めたい」と考えるのが普通ですよね?
オプションが悪いわけではありませんが、自分にとって本当に必要なものかをよく考えてから申込むようにしましょう。

第3位:資格☆合格クレアール

【コース名】
社会人経験者特別区型コース[冬・春生]
※目標年から1年間の配信期限延長が適用される「オプション安心保証」もある。

【受講形式】
通信講座

【料金】
15万円
※「オプション安心保証付き」の場合は18万円

【メリット】
教養対策の講義が充実している
低価格のため、手が出しやすい
・「オプション安心保証」(+3万円)で1年間の延長保証が付けられるため、2回目の受験となってもサポートが延長される(目標年で合格できたら「オプション安心保証」の料金は全額返金)

【デメリット・注意点】
・教養対策が多いのに対し論文と面接対策が少ないため、特別区経験者採用への特化というには心もとない

以上の内容から、第3位としました。

一番大きく評価したポイントは、低価格である点と「オプション安心保証」で延長保証が付けられる点です。
1位・2位の予備校と比較しても、手軽であるというのは大きなメリットでしょう。
教養対策も含まれているので、「試しに受験してみたい」という人にはオススメの予備校だと思います。

また、「オプション安心保証」というプランを付けることで、再受験となっても1年間サポートが延長されます。
再受講したい場合に、金銭面で安心できる点はうれしいですね。

一方で、特別区経験者採用で重要とされている論文と面接対策が少ないのはデメリットです。
クレアールの講義回数は、論文対策が6回、面接対策が4回、教養対策が100回程度となっており、教養対策に力が入りすぎている印象です。

低価格ではありますが、それゆえに必要な対策が薄い点はよく考えなければなりません。

おわりに

ここまで特別区への転職を志す社会人の皆さんに向けて、予備校の選び方オススメの予備校について解説しました。

ですが、ここでの紹介はあくまでも文字情報にすぎません。
HPやパンフレットなどに目を通すだけでは、あなた自身に合っているかどうかを判断するのは難しいものです。

そのため、予備校を検討する際には、こうした記事の内容を参考にしつつも、各予備校のガイダンスやセミナーに参加し、スタッフや講師の様子などを直接確認することをオススメします。

紹介したとおり、予備校の受講料は決して安くはありません。
そのため「なんとなく」で選択してしまうと深く後悔することになるでしょう。
自身の目でしっかり見て判断し、後悔のない選択をしてほしいと思います。