特別区とは?市役所との違いを元職員がわかりやすく解説!

東京タワーと東京23区の街並み 特別区ガイド

「特別区(とくべつく)ってよく聞くけど、いったい何のこと?」
「東京都庁や市役所と、何が違うの?」

公務員試験について調べ始めると、必ずと言っていいほど目にするのが「特別区」という言葉です。
東京23区のことだと何となく分かっていても、市や都庁との違いまでは説明できない方も多いのではないでしょうか?

実は特別区は、市とも都とも違う、独特のしくみを持つ自治体です。
ここがあいまいなままだと、受験先を選ぶときや、面接で「なぜ特別区なのか」と聞かれたときに困ってしまいます。

そこで本記事では、元特別区職員の特ゼミが、特別区のしくみから、職員の仕事・給料、試験から採用までの流れまでを紹介していきます!
受験を考えるうえで本当に必要なことだけを、図や表を使ってかみ砕いてお伝えしますね。

この記事で分かること

  • 特別区とは何か、ふつうの市や政令指定都市の「区」とどう違うのか
  • 特別区職員の仕事・給料と、都庁・市役所の職員との違い
  • 試験から採用までの流れ(日程・内容・倍率・区面接)
  • 初めての方が、まず何から始めればいいか

受けるかどうか迷っている段階の方も、まずは特別区の全体像をサクッとつかんでおきましょう!

特別区とは?ひとことで言うと「東京23区」のこと

それでは、さっそく「特別区とは何か」から見ていきましょう!

結論から言うと、特別区とは、東京都にある23の区のことです。
千代田区、新宿区、世田谷区など、ニュースや地図でおなじみの「〇〇区」がこれにあたります。

法律では、地方自治法の第281条に次のように定められています。

都の区は、これを特別区という。

出典:地方自治法 第281条第1項(e-Gov法令検索)

今のところ、特別区があるのは東京23区だけです。

23区には約1,000万人が住んでいて、東京都の人口の約7割にあたります(2026年10月1日現在の東京都の推計で998万3,365人)。
特別区職員の仕事は、この人たちの暮らしをいちばん近いところで支えることです。

特別区とは?3行でいうと…

  • 特別区とは、東京23区のこと
  • 市と同じく住民にいちばん身近な自治体
    ただし消防や上下水道などは東京都が担っている
  • 公務員試験の「特別区」は、23区などの職員をまとめて選ぶ共通の採用試験のこと

“特別区=東京23区”と覚えておけば、まずはバッチリです!
ただ、受験で本当に大事なのは、ここから先の「何が特別なのか」なんです。

特別区と「市」の違いは?何が「特別」なのかを解説

ここからは、特別区とふつうの市の違いを見ていきます。
本記事でいちばん大事なところなので、じっくり読み進めてくださいね。

押さえておきたいポイントは、次の3つです。

  1. 仕事の中身は「市」とほぼ同じ
  2. 違うのは「東京都と仕事を分け合っている」こと
  3. 横浜市や大阪市の「区」とは別物

①仕事の中身は「市」とほぼ同じ

1つ目のポイントは、特別区は、市と同じく住民にいちばん身近な自治体だということです。
法律では「基礎的な地方公共団体」と呼ばれています。

自治体は、役割で見ると2つに分けられる

  • 基礎的な自治体(市町村・特別区):住民票や戸籍、子育て、ごみ、小中学校など、暮らしに身近な仕事をする
  • 広域の自治体(都道府県):警察や、市町村をまたぐ広い範囲の仕事をする

23区には、それぞれ選挙で選ばれる区長と区議会があります。
区独自のルール(条例)をつくったり、税金を集めたりできる点も、市と同じです。

②【最重要】違うのは「東京都と仕事を分け合っている」こと

そして2つ目のポイントこそ、特別区が”特別”と呼ばれる理由になります。

いちばん大きな違いは、23区は東京都と仕事を分け合っているという点です。
この仕組みを「都区制度(とくせいど)」といいます。

ふつうなら市が行う仕事のうち、消防や上下水道などは、23区では東京都が行っています。
人口が多く、街が切れ目なくつながっている23区では、大都市としてまとめて行う必要があるからです。

反対に、ふつうは都道府県や大きな市が行う保健所の仕事は、23区ではそれぞれの区が行っています。

児童相談所も、ふつうは都道府県などが置く施設です。
23区では、国のルール(政令)で定められた区が自分で設置していて、それ以外の区は東京都の児童相談所が担当しています。

東京都と特別区の役割分担(都区制度)の図。消防・上下水道は東京都が担い、保健所などは特別区が担う
画像をタップ(クリック)すると拡大できます

この役割分担は、特別区協議会の公式動画(約2分半)でも分かりやすく紹介されています。
文章だけではイメージしにくい方は、ぜひのぞいてみてください。

特別区協議会の公式動画「東京23区『特別区』の紹介【特別区の『制度』編】」のサムネイル

特別区協議会の公式動画(約2分半)。
押すとYouTubeが開きます。

お金の面でも、23区は東京都と分け合っています。
固定資産税などの一部の税は東京都が集め、その一部を各区に配る仕組みです(=都区財政調整制度)。

特別区は「市と同じ自治体」でありながら、東京都と仕事を分け合っている。
ここが、ふつうの市と違う「特別」なところです。

面接で「特別区と市の違いは?」と聞かれたら、ズバリこの2つで答えましょう。
“消防や上下水道は東京都が担うこと”と、”税の一部を東京都が集めて各区に配ること”です!

③横浜市や大阪市の「区」とは別物

3つ目のポイントは、政令指定都市の「区」との違いです。

「区」は東京だけでなく、横浜市や大阪市などの大きな市(政令指定都市)にもあります。
ただし、これらの区は「行政区」と呼ばれ、特別区とはまったくの別物です。

行政区は、市の仕事を地域ごとに分けて行うために、市が置いている「区域」で、自治体ではありません。
区長は市長が市の職員の中から任命し、区議会もありません。

違いをまとめると、下記のとおりです。

特別区
(東京23区)
ふつうの市政令市の区
(横浜市の区など)
自治体か自治体自治体自治体ではない
(市の一部)
トップ区長
(選挙で選ぶ)
市長
(選挙で選ぶ)
区長
(市長が職員から任命)
議会区議会市議会なし
職員の採用23区共通の試験で選び、各区が採用市が採用市が採用
(区役所にも配属)

特別区職員はどんな仕事をする?

しくみが分かったところで、次は特別区職員の仕事を見ていきましょう!

区役所の仕事は「暮らしに関わること」ほぼすべて

特別区の職員は、主に各区の区役所や、区の施設で働きます。
特別区人事委員会の採用サイトでは、区役所の部署の例として次のようなものが紹介されています(部署の名前は区によって違います)。

  • 区民生活部:住民登録、国民健康保険、年金、税金など、区民の生活に密着した仕事
  • 子ども家庭部:子育ての相談や支援、地域の子育てコミュニティづくり
  • 保健福祉部:高齢者や障害のある人の支援、健康づくりなど
  • まちづくり推進部:災害に強いまちづくり、公園や緑地の保全など
  • 政策経営部:区の基本構想や総合計画づくり、予算編成など

このほか、区民まつりなどのイベントの企画・運営や、観光・文化の仕事もあります。

仕事の幅はとても広く、数年ごとに異動しながら、いろいろな部署を経験するのが基本です(特別区人事委員会のQ&Aより)。
福祉からまちづくりまで、まったく違う分野の仕事を経験できるのも、特別区の魅力の一つです。

各区がどんな取組をしているのかは、下記の記事にまとめています。
働きたい区を考えるときの参考にしてください。

区だけでなく「3つの組合」も職場になる

特別区の採用試験に合格すると、23区のほかに、23区が共同でつくっている3つの組合に採用されることもあります。

  • 特別区人事・厚生事務組合:職員の採用試験や研修など、23区に共通する仕事をまとめて行う
  • 東京二十三区清掃一部事務組合:清掃工場の運営など、ごみの中間処理をまとめて行う
  • 特別区競馬組合:大井競馬場で開かれる競馬の運営を行う

2026年度の春試験では、事務の採用予定はいずれも「若干名」(1~4名程度)でした。
清掃一部事務組合と人事・厚生事務組合の面接対策は、記事の後半にある一覧から見ることができます。

東京都庁・市役所の職員とはどう違う?

特別区を受けようか考えている方の多くが迷うのが、次の2つです。

  • 東京都庁(東京都職員)とどちらを受けるか
  • 地元の市役所とどちらにするか

主な違いを、表にまとめてみました。

特別区職員東京都職員市役所職員
採用試験特別区人事委員会
(23区共通)
東京都人事委員会各市
採用先各区・組合
(合格後の面接で決まる)
東京都その市
主な仕事住民に身近な仕事東京都全体に関わる広い範囲の仕事住民に身近な仕事
勤務地原則として採用された区の中都内各地
(島しょ勤務の可能性もある)
原則としてその市の中
給料23区で共通東京都の基準市ごとに異なる
出典:特別区人事委員会「各採用試験共通Q&A」、東京都人事委員会「令和8年度 東京都職員Ⅰ類B採用試験案内」ほか

まず押さえておきたいのは、特別区職員は東京都の職員ではないということです。
採用試験も採用される先もまったく別なので、併願を考えている方は混同しないように注意しましょう!

また、2026年度は東京都Ⅰ類B(一般方式)と特別区Ⅰ類【春試験】の1次試験が、どちらも4月19日でした。
同じ日なので、東京都の一般方式と特別区の春試験は、どちらか一方しか受けられませんでした(東京都の新方式とは重なっていません)。

2027年度の日程が発表されたら、両方の日程を見比べてから受ける試験を決めましょう。

そして、特別区職員の大きな特徴は、原則として採用された区の中で働くことです。
特別区人事委員会のQ&Aでも、転居しなければならないような人事異動は「ほとんどありません」と説明されています。

特別区職員の給料は?初任給はいくら?

受験を考えるうえで、やはり気になるのが給料ですよね。

結論から言うと、給料は、どの区に採用されても同じです。
給料表(給料の額を決める表)や昇給のしくみは23区共通で、23区共通の特別区人事委員会の勧告をもとに、各区が条例で定めています。

大学卒業程度の試験(Ⅰ類)で採用された人の初任給は、約27万8,400円です。
(2026年4月1日現在・地域手当20%を含む・税金や社会保険料が引かれる前の額)

2026年10月の勧告どおりに改定されると、約28万9,800円になります。

給料の基準が23区共通なので、同じ条件で働く職員の給料が、採用された区によって変わるわけではありません。

ですので、給料の違いを気にして区を選ぶ必要はありません。
仕事の内容や取組、通いやすさなどで、希望区を考えましょう。

特別区職員になるには?試験から採用までの流れ

ここからは、特別区職員になるまでの流れを、順番に紹介していきます!

①試験は23区共通で、特別区人事委員会が行う

特別区の正規職員になるには、特別区人事委員会の採用試験に合格する必要があります。
区ごとに別々の試験があるわけではなく、23区と3つの組合の職員を、1つの試験でまとめて選ぶのが特徴です。

②試験の種類と受験資格

特別区の採用試験には、いくつかの種類があります。
2026年度(令和8年度)に行われた試験は、下記のとおりです。

試験主な対象・特徴
Ⅰ類【春試験】事務の場合、22歳以上32歳未満
出題は大学卒業程度
いちばん採用人数が多い
Ⅰ類【早期SPI枠】事務のみ
SPI(民間企業の採用でもよく使われる適性検査)と、プレゼンテーション・面接で選ぶ
春試験との併願はできない
Ⅰ類【秋試験】土木・建築などの技術系の区分のみ(事務の募集はない)
Ⅲ類18歳以上22歳未満
出題は高校卒業程度
経験者採用試験・選考民間企業などで一定の年数の職務経験がある人
障害者を対象とする採用選考18歳以上62歳未満で、障害のある人
出題は高校卒業程度
年齢は、試験がある年度の翌年4月1日時点。
出典:特別区人事委員会「採用試験の概要」、令和8年度の各試験案内

大学生や20代の社会人が「特別区を受ける」という場合、ふつうはⅠ類のことを指します。

Ⅰ類の事務(一般事務)の受験資格は、日本国籍を持ち、年齢の条件を満たしていることです。
学歴の条件はありませんが、出題は大学卒業程度です。

また、23区に住んでいなくても受験できます。
受験資格を満たしていれば、住所や年齢、学歴などは合否に「まったく影響ありません」(特別区人事委員会のQ&Aより)。

Ⅰ類【春試験】の試験会場は、原則として都内です。
早期SPI枠の1次試験は、全国のテストセンターまたはオンラインで受けられます(2次試験は原則として都内)。

③試験の日程(申込みから合格発表まで)

2027年度(令和9年度)のⅠ類の試験日程は、2026年11月6日時点ではまだ公表されていません。
参考までに、2026年度の春試験(事務)は、下記の日程でした。

  • 申込み:3月6日(金)〜3月23日(月)
  • 1次試験:4月19日(日)
  • 1次合格発表:6月12日(金)
  • 2次試験:6月29日(月)〜7月10日(金)のうち、指定された1日
  • 最終合格発表:7月24日(金)

(出典:特別区人事委員会「令和8年度 特別区職員Ⅰ類採用試験【春試験】試験案内」)

早期SPI枠は、春試験より申込みが早いので注意しましょう。
2026年度は、2月5日〜2月18日が申込期間でした。

④Ⅰ類(事務)の試験内容

いちばん受験者が多いⅠ類【春試験】の事務(一般事務)の場合、試験内容は下記のとおりです(2026年度)。

試験内容
1次試験教養試験2時間・48問中40問を解答
(文章理解・数的処理などの知能分野と、人文・社会・自然科学などの知識分野)
専門試験1時間30分・55問中40問を選んで解答
(憲法・行政法・民法・経済学など11分野)
論文1時間20分・2題中1題・1,000〜1,500字
2次試験口述試験個別面接
出典:特別区人事委員会「令和8年度 特別区職員Ⅰ類採用試験【春試験】試験案内」

専門試験は、11分野から各5問、合わせて55問が出ます。
そのうち40問を選んで解くので、すべての分野を勉強する必要はありません。

教養試験は、知能分野の28問が全員必須で、知識分野は20問から12問を選んで解きます。

なお、特別区は配点を公表していません。
ただ、私は論文の比重が大きいと考えています。

その理由は、下記の記事で詳しく解説しています。

⑤倍率はどのくらい?

2026年度のⅠ類【春試験】の事務(一般事務)は、採用予定数が1,039名程度でした。

1次試験の受験者5,919人に対して、最終合格者は2,363人です。
倍率(1次試験の受験者数÷最終合格者数)は2.5倍でした。

(出典:特別区人事委員会「令和8年度Ⅰ類採用試験【春試験】実施状況」)

⑥【絶対に知っておきたい】合格しても採用はまだ決まらない?「区面接」と「採用漏れ」

特別区の試験でとくに注意したいのが、最終合格しても、それだけでは採用が決まらないという点です。
流れを図にすると、下記のとおりです。

特別区職員の合格から採用までの流れ。申込み、1次試験、2次試験、最終合格・名簿登載、提示、区面接、採用内定の順
画像をタップ(クリック)すると拡大できます

最終合格した人は、点数の高い順に「採用候補者名簿」に載ります。
そして、申込みのときに書いた希望区(第3希望まで)などを考慮して、点数の高い順に各区へ「提示」されます。

提示とは、人事委員会が面接の候補として、合格者を区に紹介することです。
そのあと各区が面接を行い、採用内定を出します。

この各区の面接を、受験生の間では「区面接」と呼んでいます。
入庁は、原則として試験を受けた翌年度の4月1日です。

注意したいのは、区面接で内定をもらえなかった場合です。
採用予定数に空きがあれば別の区に提示されますが、空きがなければ提示されません。

その結果、最終合格していても、どの区にも採用されないことがあります。
これが、いわゆる「採用漏れ」です。

さらに、2026年度のⅠ類【春試験】から、採用候補者名簿の有効期間は原則1年に短くなりました(2024・2025年度の試験は3年間でした)。
名簿に載っている間に内定をもらえなければ、せっかく最終合格しても、採用されないまま終わってしまいます。

では、どうすれば採用漏れを避け、希望区に入りやすくなるのでしょうか?

ポイントは、提示が点数の高い順に行われることです。
つまり、上位で合格するほど希望区に提示されやすく、採用漏れの心配も小さくなります。

先ほど紹介したとおり、採用後は原則として、その区の中で働きます。
しかも、特別区の職員のままでは、特別区の採用試験を受け直して別の区に移ることもできません。

つまり、どの区に入庁するかで、その後の職場がほぼ決まります。
だからこそ、上位での合格を目指すことと、希望区選びがとても大切なんですね。

元職員として、ここは声を大にしてお伝えしたいところです。
特別区は”合格すればゴール”ではなく、”上位で合格するほど有利になる”試験なんです!

希望区の選び方や、採用漏れを避けるための考え方は、下記の記事で詳しく解説しています。

初めての方は、まず何から始めればいい?

「特別区を受けてみようかな」と思ったら、まずは次の順番で動いてみるのがオススメです。

①説明会に参加してみる

説明会は、受けるかどうか迷っている段階でも、気軽に参加できます。
2027年1月10日(日)には、立教大学池袋キャンパスで「23区合同説明会」が予定されています(事前申込制・当日受付あり)。

申込みは、2026年12月2日(水)から受け付ける予定です。

当日は、各区・組合がブースに分かれて、それぞれの特色や求める人材などを説明してくれます。
実際に働く職員から直接話を聞けるので、特別区で働くイメージがつかみやすくなりますよ。

特別区人事委員会や各区のオンライン説明会もあります。

②働きたい区を考えてみる

区によって取組や雰囲気はさまざまです。
申込みの時点で希望区を書くので、気になる区の取組を少しずつ調べておきましょう。

23区・組合ごとの解説ページは、この記事の後半に一覧でまとめています。

③受けると決めたら、過去問を見てみる

過去問は、解けなくて大丈夫です。
どんな科目が、どんな形で出るのかを知るだけで、勉強の計画が立てやすくなります。

特別区Ⅰ類の過去問は、下記の記事で年度ごとにまとめています。

④論文と面接も早めに意識する

論文と面接は、書き方や話し方に慣れるまでに時間がかかるものです。
筆記の勉強と並行して、早めに準備を始めておくと安心です。

いきなり全部やろうとしなくても、まったく問題ありません。
まずは説明会で”特別区で働く自分”をイメージするところから、一歩ずつ進めていきましょう!

論文・面接に向けて知っておきたいこと

ここからは、受験を決めてから読んでも大丈夫です。
論文や面接の準備を始めるときに役立つ話を紹介します!

①論文では「特別区職員としてどう取り組むか」が問われる

特別区の論文では、社会の課題について「特別区職員としてどのように取り組むべきか」を論じます。
2026年度のテーマは、下記の2つでした。

  • SDGsの達成に向けた、特別区とさまざまな団体との連携による地域の課題解決
  • 安全で安心なまちづくりに向けた、防犯対策の強化

特別区がどんな仕事を担っているのかを知っておくと、論文で具体的な取組を書きやすくなります。
論文の対策は、下記の記事で詳しく解説しています。

②面接で「なぜ特別区なのか」を聞かれたら

特別区の面接でよく聞かれるのが、次のような質問です。

  • なぜ東京都庁ではなく特別区なのか
  • なぜ地元の市役所ではなく特別区なのか
  • 特別区と地元の市を比べると、どんな違いがあるか

実は、ここまで読んだ内容が、そのまま答えの材料になるんです!

答えの骨組みの例

  • 都庁ではなく特別区の理由:住民にいちばん近い自治体として、区民と直接向き合いながら働きたい
  • 市役所ではなく特別区の理由:人口が集中する大都市ならではの課題に、市と同じ立場の自治体として取り組みたい
  • その区を選ぶ理由:その区ならではの取組や課題に、自分の経験をどう生かせるか

大切なのは、仕組みを丸暗記して話すことではありません。
「だから自分は特別区で働きたい」という、自分の言葉につなげることです。

面接対策は、下記の記事で詳しく解説しています。

③特別区をめぐる最近の話題

特別区の論文や面接では、区政の課題について考えを聞かれることも少なくありません。
ニュースで見かけたときに背景が分かるよう、最近の話題を紹介します。

ここでは公式資料をもとに事実を中心に書き、意見が分かれるものは、それぞれの立場の説明を並べていきます。

❶区立の児童相談所が増えている

2016年の児童福祉法の改正で、23区も児童相談所を設置できるようになりました。
区立の児童相談所は2026年10月時点で10区にあり、11月には杉並区も開設して11区になりました。

❷税金のあり方をめぐる議論

特別区長会は、次のようなことを「不合理な税制改正」と呼び、見直しを求めています。

  • 会社が納める住民税(法人住民税)の一部が、国の税に置き換えられたこと
  • 区民がふるさと納税でほかの自治体に寄附すると、そのぶん特別区民税が差し引かれ(控除され)、区の税収が減っていること(特別区長会の試算では、2026年度に約1,155億円)

一方、国は、法人住民税の一部を国の税にした理由を「地域間の税源の偏在性を是正し、財政力格差の縮小を図る」ためと説明しています。

また総務省は、ふるさと納税を次のような制度として設けたと説明しています。

  • 「生まれ育ったふるさとに貢献できる制度」
  • 「自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度」

【一覧】23区・組合ごとの解説ページ

特ゼミでは、23区と組合それぞれの基本情報や最近の取組、面接対策を、ページごとにまとめています。
働きたい区を考えるときの入口として、気になる区から見てみてください!

都心エリア
千代田区/中央区/港区/新宿区/文京区/渋谷区

東部エリア
台東区/墨田区/江東区/荒川区/足立区/葛飾区/江戸川区

南部エリア
品川区/目黒区/大田区/世田谷区

西部エリア
中野区/杉並区/練馬区

北部エリア
豊島区/北区/板橋区

一部事務組合
清掃一部事務組合/人事・厚生事務組合

区面接の流れや、不合格・採用漏れを避けるための対策の全体像は、下記の記事で解説しています。

特別区についてよくある質問

Q. 「東京都特別区」の試験は、東京都の試験ですか?

A. いいえ。
「東京都特別区」は「東京都にある特別区」という意味で使われる呼び方です。

試験を行うのは特別区人事委員会で、東京都職員の採用試験とは別の試験です。

Q. なぜ東京23区だけが特別区なのですか?

A. 23区の地域が、もともと「東京市」だったことに由来します。
1943年(昭和18年)に東京府と東京市が廃止されて東京都が生まれ、東京市の区は東京都の区になりました。

そして1947年(昭和22年)、地方自治法で「都の区は、これを特別区という」と定められ、特別区が誕生しました。
人口が集中する大都市の地域なので、今も東京都と区が仕事を分け合う仕組み(都区制度)が続いています。

Q. 大学生は何年生で受けるのですか?

A. 現役の大学生なら、春試験はふつう4年生の春に受けることになります。
早期SPI枠は申込みが2月なので、3年生の終わりごろが受験の時期です。

2026年度のⅠ類【春試験】(事務)は、1995年4月2日〜2005年4月1日に生まれた人が対象でした。
2005年4月2日以降に生まれた人でも、大学を卒業した人や、2027年3月までに卒業見込みの人などは受験できました。

受ける年度の受験資格は、その年の試験案内で確認しましょう。

Q. 八王子市や町田市など、東京都の「市」も特別区ですか?

A. いいえ。
東京都には23区のほかに26の市と5つの町、8つの村があり、これらはふつうの市町村です。

特別区の採用試験で採用されるのは、23区と3つの組合だけです。

まとめ:特別区は「東京23区」、市と同じ身近な自治体

本記事では、特別区とは何かを、市や都庁との違い、職員の仕事・給料、試験から採用までの流れとあわせて紹介しました!

最後に、本記事のポイントをおさらいしておきましょう。

  • 特別区とは東京23区のことで、市と同じく住民にいちばん身近な自治体
  • ただし消防・上下水道などは東京都が担い、東京都と仕事を分け合っている(都区制度)
  • 特別区職員は東京都の職員ではなく、原則として採用された区の中で働く
  • 給料は23区共通で、どの区に採用されても同じ
  • 試験は23区共通で、最終合格後の「区面接」で採用される区が決まる

特別区職員の仕事は、約1,000万人の暮らしを、住民にいちばん近いところで支えることです。
区民の声を間近に感じながら働ける、やりがいのある仕事です。

「なんとなく気になる」と思ったら、まずは説明会に参加して、実際に働く職員の話を聞いてみてください!
気になる区が見つかったら、上の一覧から区ごとのページもぜひのぞいてみてくださいね。

あなたの挑戦を、特ゼミは心から応援しています!

参考資料

※この記事の内容は2026年11月時点の情報です。
試験の日程や内容は年度によって変わることがあるので、受験の際は必ず最新の試験案内を確認してください。